特集『Guild-unitの作家たち』は
JAP工房がコアとなって作る作家集団
“ GUILD-UNIT ”の中から、
オンラインショップで作品を扱っている
ブランドをピックアップ。
ブランドの成り立ちや作品、作家自身について紹介する。
第4回は再び『Silversmith編』に戻り、
『 noir96noir 』の作家、木脇祐也に話を聞く。

JAP工房の直営店GUILD-UNITで土日祝日の店員も勤め、
「ユウヤ」としてお馴染みの若手作家が木脇祐也。
“若手”といってもベテランが多いJAPの中でのことなのだが、
甘いマスクと柔らかい物腰は、年齢より若く見える。

noir96noir 木脇祐也



※写真をクリックすると商品サイトにリンクします。
「小さい頃は野球やサッカーとかが好きでやってたのですが、高校に入ってバンドを組んで、その当時好きだったアーティストが着けてるアクセサリーにすごく興味を持ったんです」
子供の頃はスポーツ少年だったが、図工や美術は得意。
だから好きなアーティストが付けているアクセサリーに興味を持っても
「買いたい」ではなく「作りたい」という気持ちになったそうだ。
「進路はぎりぎりまで悩みましたね。体験入学もしてみたりして、アクセサリー製作の専門学校へ進んだんです。学校に入ったばかりの頃は、自分でブランド持ちたいとか強い気持ちはなくて、この業界で仕事がしたいと思って宝飾系ジュエリーの勉強や石留めの勉強など幅広くやってました。卒業後は某有名百貨店に入っていた宝飾系ジュエリーの修理会社でしばらく働いていたので、プラチナやゴールドも扱えるんです」


木脇がオーダーで作ったワンメイクの結婚指輪。
「『 noir96noir 』はブラックホールをイメージしたブランドです。色々な物を取り込み成長していくと言う意味でつけました。名前の由来は当時はバンド名に色が入ってると売れると言う都市伝説があって色を入れたかったのと、好きな色が黒だったのでそこから考えました。『 noir96noir 』の「96」の部分はクロに掛けてるのと配列した時に可愛いなと思い入れているだけなので発音はしませんのでノワールノワールと読んでください」

JAP工房のスタッフになったきっかけは『 smile_mammy 』の松田守和。
ネットで知り合い、JAP工房を紹介された。
「面白いお店があるよ、って松田さんから紹介されて自分の作品を持ち込んだのが最初です。知っていたブランドがいろいろあって、ここで作ってたんだ、すげ~な、って。店員としていろいろな作家さんの作品を見たり、お客さんの感想が聞けるので勉強になりますね」
アクセサリー専門学校を出て、
アクセサリーを作りながら店員もしている、と聞くと
とても普通な感じに聞こえるのだが、実はなかなかの実力者。
母校は日本屈指のアクセサリー専門学校なのだが
そこのパンフレットの表紙を飾っているのが木脇の作品なのだ。


パンフレットだけでなく、雑誌広告にも使われている。
「友人が教えてくれたんです。お前の作品が使われているぞ、って。いつの間にか使われているので、うれしいというよりもビックリしましたね。何か選考があって選ばれたのであれば、ありがたいことだと思うんですけれど」
この扱いは十分に学校を代表する作家だと思うのだが・・・・。
無欲というか、のんびりとした性格の木脇だが、行動力はある。
最近はガラスにはまっているそうで日々試行錯誤中。


現在、試作中のガラス玉。
「独学で耐熱ガラスの勉強をしていて、どれだけ小さく、細かく作れるか実験中なんです。ガラスだけのジュエリーはガラス作家さんが作っているので、自分はやっぱりシルバージュエリーに取り込みたいと思っているんです。そろそろシルバーに取り込んだ作品を発表したいですね」
自分が着けたいアクセサリーを作るのが基本。
あまりグロくはなく、ゴツすぎず、着け心地がいいもの。
それが『 noir96noir 』というブランドの特徴なのだが、
それとは別のラインも模索している。
「僕自身が目指す飽きないためのブランドって感じで『 noir96noir 』はずっと続けていこうと思っています。これとは対局のカラフルでポップな作品のブランドを作りたいと計画中なんです」
『 noir96noir 』が強烈な個性に乏しいのが悩みのようだが
“今の彼”にとっては、JAPのショップ店員であることが大きな個性かもしれない。


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cremation ring
「『cremation』は「火葬」という意味で、額は火をイメージしています。着けやすさを考慮して下アゴのないスカルにしました。ちょっと八重歯が出ているのは自分の歯並びを参考に造形したから(笑)」
最新作だが、いろいろなカスタムに応えたいという。
たとえば標準では10金ピンクゴールドのファイヤー部分をシルバーに変えたり、
ファイヤーのデザインを変えることもOK。
ファイヤーのないプレーンな「cremation ring」も
ゴツゴツとしたダメージ感が魅力的だが、このダメージに手を加えることも可能。
「そうですね。土日祝日はここ(JAP工房直営店GUILD-UNIT)にいるので、いろいろ気軽に相談に来ていただきたいです。形を変えたり、素材を変えたり、いろいろなカスタムの希望に応えたいと思っています。ほかのブランドの商品をお求めの場合でも、お客さんと作家さんを橋渡しするいい中間役だと思うので、『 noir96noir 』じゃなくても相談して欲しいですね。僕も勉強になりますから」


木脇祐也の作業場風景。
「外出しなければ平日はここにずっと座っています」
今回の写真はすべて木脇が撮影。
『 noir96noir 』はこれまでJAP工房直営店GUILD-UNITでは扱っていたが
今回の特集を機にオンラインショップでも取り扱いを開始!
以下は木脇のおすすめ作品

Gokurakugumo Ring
「芥川龍之介の『蜘蛛の糸』に出てくるカンダタを助けようとした蜘蛛をイメージしたリングです。アクセサリーはできればお守り的なものにしたいという気持ちがいつもありますね。お守りだと思ってくれるような意味が少しでも込められたらなって。カンダタって結局は助からないんですけど、この蜘蛛は銀の糸を吐くのできっと助けになってくれると思います(笑)」

Michael
「守護神ミカエルをイメージしたペンダントです。宗教に特別な興味はないんですが、何でも信じる方です(笑)。作品ごとに宗教が違いますが、これもお守りになってくれればなって思いがあります。細めの指輪をセンターにぶら下げられるようになってます」

Sacred skull Ring
「学校のパンフレットで使われた作品をバージョンアップさせたスカルリングです。僕は宝飾系ジュエリーも好きなので、キラキラした宝飾系とシルバージュエリーの要素をあわせています。パヴェ留(=隙間なく石留め)でダビデの星をデザインに入れ、額にも18金を使った贅沢な作りになっています]
JAP工房が新しく取り扱いを開始する
『 noir96noir 』をぜひともよろしくお願いします。
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テーマ:シルバーアクセサリー - ジャンル:ファッション・ブランド